誰にも言わずにここに置く

誰にも言わないけど留めておきたい、内省と個人所感メモ。というか主に愚痴。

知人に声をかけるか否か

街で知っている人を見かけたときに、

声をかけるべきかどうか、悩むことがしばしばある。

 

仲の良い人なら何の迷いもないが、

何かの機会に1度会った人、となると、

相手が自分を覚えているかどうかも定かでない。

 

特に距離を縮めたい人なら別だが、

そうでなけでば相手が全くこちらに気づいていない場合、

ほぼこちらも気づかぬふりをする。

もしも目が合ったら、軽く会釈。

そんで向こうが自分を覚えている風だと、

場合によっては少し声も発する。

 

今日会った女性は、

私が数人と話をしている輪に知人を見つけ、

近づいてきたのだった。

 

2年ほど前、彼女は私が関わった仕事にクレームをくださって、

私はチームメイトと謝罪に行った。

そのクレームは私には納得しきれないものだったけど、

全く否がないとも言いきれず、頭を下げに行った。

その前に、「本当に謝罪に値するのだろうか」と

先輩のAさんに相談したりした。

Aさんは、彼女と幾度か仕事をしたことがあるからだ。

Aさんは「そこまでじゃないと思うけどね」と言ってくれた。

 

今日、2年ぶりに会った彼女は、

その共通の知人であるAさんを私たちの輪に見つけて

Aさんに声をかけたのだった。

 

私は、彼女の顔も名前も覚えていた。

彼女は、私に見向きもしなかった。・・ように見えた。

私は「@@です。あの時はすみませんでした。ご無沙汰してます」と、

挨拶すべきかどうか迷った。

だって、彼女は私を覚えていないかも知れない。

たった1度きり、それも、チームメイトの後ろにくっついて訪ねて、

うつむいて説教を聞き、深々と頭を下げて帰った。

私の顔なんか、覚えてないだろう。

しかもその時といまと、髪型も違えばメガネもはずしている。

 

そして、Aさんの前であの謝罪について蒸し返すことは、

彼女にとって不名誉なことであるように思われた。

Aさんも「あのクレームはイチャモンだ」的な解釈だったから。

 

 

数秒間いろいろと考えた結果、

私は2m以内の至近距離で向かい合った彼女に名乗り出ることなく

Aさんらに「またね」と言ってその場を去った。

 

だけど、離れてみると一抹の後悔がないでもなかった。

1つは、実は彼女は私を認識していて、コッソリ「アイツ挨拶もしない」と怒ってるんじゃないかという不安。

もう1つは、改めて自己紹介していたら、これまでの関係から良い方向へ転換できたのではないかという「if」。

 

ただ、良い方向へ変えることができたとしても彼女と仕事をしたいわけでもないので、

単に心証を良くしておきたいだけなら、あまり大きな意味はない。

だけど、暗に怒りを燃やされているとしたらそれも良い気分ではない。

 

まあ、ここは、私が全く覚えていなかったことにしよう、と

勝手に自分に言い聞かせて、

万が一にもAさんが、彼女が私を覚えていたとおっしゃったら、

私は全く彼女を思い出せなかったことにしようと

身を守ることを精一杯考えて、

挨拶しなかった後悔を反省して、

片方では声をかけていても後悔していたかも知れないなんて

あるいは、Aさんの前で彼女に恥をかかせなくて良かったんだなんて、

逃げて、逃げて、

ズルくて卑怯で臆病な自分に散々嫌気がさして、

こんな気分にさせる彼女がますます嫌で、

こんなしみったれた自分ももっと嫌で、

だから、まあ、次にこんな機会があったら今度はちゃんと挨拶しようって

今後の肥やしにすることにして、まあ、今夜は、寝ようと思う。