誰にも言わずにここに置く

誰にも言わないけど留めておきたい、内省と個人所感メモ。というか主に愚痴。

備忘録

実家の母に今日聞いた話。

 

石垣から水が漏る。

隣家のT家に迷惑にならないか心配。

 

だが、そもそもは、水やゴミが出ても迷惑がかからないよう、

崖の下はぐるり1mほどうちの敷地があって、溝で仕切られていた。

それを、何十年も昔、T家の先代が自分の土地のようにせっせと耕して、

水田として使っていた。石垣が水に浸かって耐久性が不安だったそうだ。

 

だいぶたってから、T家との協議で、

ご近所とモメたくない祖母が、30cmほど残して土地を譲った。

売ったという風には聞いてない。

でもやっぱり、その30cmさえ、鉢やいろいろなものを置いたりと、

我が家のように使ってらっしゃる。

そこに、うちから水が出たと文句を言われても、

なんだか釈然としない。

 

おまけにこの先代さんの家のお嫁さんが、

うちにあるはずがないような高価なものがあると近所に漏らしていた。

逆に我が家は、あるはずの長治郎の楽茶碗や掛け軸がない。

T家の先代さんは、うちの蔵番を務めてたらしい。

なんだかいろいろと良くない推測をしてしまう。

でも、あなたの家に何があるか見せなさいよ とは言えない。

大きな琺瑯のボウルも、葬式の時に貸したまま帰ってこない。

 

うちは代々お人好しで、土地をタダ同然であげちゃったりして、

人に助けられてもきたけど、見返りを求めないことも随分してきた。

防火水槽が必要だから土地を貸してほしいと自治会にいわれて、

屋敷の一角を提供した。

何十年かたって、防火水槽の耐久年数が過ぎたら、水を抜いてそのままサイナラだ。

敷地の中には、いまだにコンクリートのタンクが埋まっている。

考えられない。

私が借りた側の人間なら、土中のコンクリートをきちんと除去して、

きれいにして返す。

親も親で、誰かが「きれいに始末して返そうよ」と

言ってくれるのを待つばかりで、

自分で訴えることができない。

自分の利益になることを訴えるのは、気がとがめるんである。

 

 

まあ、それはそれで、うちの人たちのいいところでもあると思うけど、

それで人の役に立ったと晴れ晴れできればいいが、

報われない思いばかり抱えて寂しくなるのは、

子どもとしては悲しい。

どのみちもう屋敷を継ぐ人もないし、このまま消えるのだろうけど、

せめて、今日の悲しい気持ちをとどめておこうとメモしてみた。